診療科紹介
リハビリテーション科は、整形外科疾患を中心に、各外科の術後の早期リハビリテーション、呼吸器・腎・消化器・リウマチ・脳神経障害等の内部疾患で入院中の方に、臥床に伴う筋力低下の予防や、早期離床・早期退院を目指し、理学療法、作業療法、言語聴覚療法等を行っております。スポーツ整形外科・脊椎疾患、呼吸器・透析患者、小児疾患の外来リハビリテーションも行っています。リハビリテーション専門医、指導医が常勤しており、リハビリテーション専門医研修病院認定施設となっています。
また、療法士スタッフは領域ごとのチーム制をとっており、充実した医療を推進するために他職種との連携を重視し、定期的なカンファレンス・症例検討会、退院前自宅訪問、家族への介護指導なども併せて行っています。病院のみならず、在宅への支援部門として介護老人保健施設そよかぜ・訪問看護ステーションそよかぜ・筑波学園病院訪問リハビリテーションがあり、協働して退院後生活支援、在宅リハビリテーションも行っております。
リハビリテーション部スタッフ
- リハビリ専任医師:2名
- 非常勤医師:1名
- 理学療法士:20名(病院:18名 在宅支援部門:3名)
- 作業療法士:9名 (病院:5名 在宅支援部門:4名)
- 言語聴覚士:6名 (病院:5名 在宅支援部門:1名)
- 視能訓練士:2名 (病院:2名 ※眼科業務)
※在宅支援部門:老健・訪問
当院でのリハビリの特色
広々とした空間に大きな窓ガラスから柔らかな光が差し込む恵まれた環境の中、リハ医2名、理学療法士18名、作業療法士5名、言語聴覚士5名、視能訓練士2名が、整形外科疾患を中心に、脳血管障害・外科の術後・呼吸器疾患・循環器疾患、臥床に伴う筋力低下の予防や、摂食・嚥下訓練、構音障害など多岐に渡って早期離床・早期退院を目指し日々努めております。またチームとして充実した医療を推進するために他職種との連携を密にとるように心掛け、定期的なカンファレンス・症例検討会なども積極的に行っています。退院前にはご自宅に訪問し、住宅改修や福祉用具の選定、日常生活での注意点の指導など行い、本人の身体機能のみならず、家族への介護指導なども併せて行っています。
入院中にリハビリ実施した患者さんの自宅退院率は7割。退院後の支援も積極的に行っています。
当院でのリハビリ専門職の役割
理学療法 |
術後早期(人工股・膝・足関節・前十字靱帯損傷などのスポーツ障害・脊椎疾患・大腿骨頸部骨折術後・開腹術後など)から介入を行い、早期離床・全身のコンディショニングを図っている。また脳血管障害後のリハビリ、呼吸不全(人工呼吸器管理下・在宅酸素療法の導入等)・心不全・高齢者の廃用予防などにも積極的にリハビリテーションを実施。 |
作業療法 |
肩関節周囲炎・腱板断裂の日常生活指導と訓練、肩・肘関節などのスポーツ障害の運動療法・動作指導、上肢・手指の骨折、外傷後の運動療法、リウマチの日常生活指導と術後リハビリテーション、脳血管障害後の上肢機能訓練、発達障害児(自閉症児)の身体機能向上への関わり、褥創予防のための福祉用具の選定・車椅子のシーティング、ターミナル期や認知症の身体的・精神的フォロー等を実施。 |
言語療法 |
摂食・嚥下障害の検査(嚥下造影検査など)と訓練、脳血管障害後の言語訓練、耳鼻科疾患に対する検査や音声訓練・聴能訓練、小児の言語発達障害に対する言語訓練、NSTへの関わり等を実施。 |
視能訓練 |
眼科一般の検査(視力・眼圧・視野など)、斜視や弱視の訓練。弱視訓練は、子どもにあった治療方法をご家族と相談し、ペナリゼーション、アイパッチを選択。 |
リハビリテーションオーダーの疾患割合(全体)

理学療法

作業療法

言語療法

出身大学 |
筑波大学 |
認定資格 |
- 日本整形外科学会認定医
- 日本整形外科学会認定整形外科専門医
- 日本整形外科学会脊椎内視鏡下手術・技術認定医
- 日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医
- 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
- 日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医
- 日本リハビリテーション医学会指導医
- 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
- 日本障害者スポーツ協会公認障害者スポーツ指導医
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所属学会 |
- 日本整形外科学会
- 日本脊椎脊髄病学会
- 日本リハビリテーション医学会
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認定資格 |
- 日本整形外科学会認定整形外科専門医
- 日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
- 日本整形外科学会認定リウマチ医
- 博士(医学)
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所属学会 |
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月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
土 |
午前 |
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作田 直記
(義肢・補装具)
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作田 直記
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午後 |
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*非常勤医師
※医師の都合により代診・休診の場合があります。また、当日、予約外患者さんの受付が出来ない場合がございますのであらかじめ御了承下さい。
PDFデータにてご紹介しております。
2021年度の実績はこちら
学会発表・論文など
第25回茨城県理学療法士学会
演者 |
山口真吾 |
テーマ |
高校野球における傷害発生分析~季節別の違いに着目して~ |
概要 |
高校野球選手を対象にスポーツ活動を休止するTime Loss傷害(TL傷害)と休止しないNon Time Loss傷害(NTL傷害)の季節別での傷害発生状況を調査した。TL傷害は上肢優位、NTL傷害は下肢優位に傷害発生が高校野球選手を対象にスポーツ活動を休止するTime Loss傷害(TL傷害)と休止しないNon Time Loss傷害(NTL傷害)の季節別での傷害発生状況を調査した。TL傷害は上肢優位、NTL傷害は下肢優位に傷害発生が |
第25回茨城県理学療法士学会
演者 |
矢野孝輔 |
テーマ |
シュート動作時の足関節痛への介入〜既往歴の把握により主訴の解決に繋がった例〜 |
概要 |
数年前から左足関節の捻挫を繰り返しており、1年前の受傷後からリハビリを継続しているがno-contactでも違和感が強く練習に参加できていなかった。問診より6年前に右肩関節の亜脱臼歴があり、診断だけでリハビリを受けなかったことが判明した。シュート動作に肩関節亜脱臼が影響を及ぼしていると考えアプローチした。肩甲骨内転トレーニングを取り入れることでMKF時の体幹右側屈が改善し、内果後方の疼痛・恐怖感が消失した。本症例より下肢疾患であっても上肢の既往歴を細かく聴取する必要性を再認識した。 |
第34回日本臨床整形外科学会学術集会
演者 |
小林貴太 |
テーマ |
腰部骨盤帯のアライメント修正により術後残存する間欠性跛行の改善に至った一症例 |
概要 |
腰椎すべり症を合併した腰椎椎間板ヘルニアの術後間欠性跛行が残存した症例を担当し、歩行時におけるアライメントに着目しアプローチを行った結果、間欠性跛行の改善に至ったので報告した。立位での不良アライメントから、歩行時にトレンデレンブルグ徴候の出現により左椎間孔の狭小を増強し、左神経根の絞扼による疼痛を生じていると考えた。そのため、立位・歩行時のアライメント修正を目的にアプローチを行い、症状の改善に至った。術後残存する完結跛行に対しては、その時の姿勢を再度詳細に評価・分析してメカニズムを考察し、適切に評価を行うことで改善する可能性があることを再認識した。 |
第32回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
演者 |
隅田亮太 |
テーマ |
HOT導入の再指導を通して職場復帰につなげられた症例 |
概要 |
在宅酸素療法(以下HOT)の自己中断から呼吸状態が増悪して入院となり、入院中の介入を通してHOTの導入だけでなく職場復帰につなげられた症例の報告を行った。自己中断理由の考察と定着させるための方法を検討し、6ステップメゾットを基に介入を行い、退院後はHOTを導入した状態での仕事復帰に繋げることができた。個々の中断理由への着目と自己効力感の向上が重要と考えた。 |
茨城県理学療法士会 新人症例検討会
演者 |
宇津野真美 |
テーマ |
呼吸器疾患患者に対する金持久力トレーニングとトイレ動作・呼吸苦指導により運動耐容能改善とトイレ動作獲得につながった症例 |
概要 |
ANCA関連血管炎と慢性閉塞性肺疾患を呈し、呼吸苦が強くADLが低下していた患者に対し、呼吸方法とトイレ動作方法に着目して介入を行ったことで、トイレ動作が獲得できた症例の報告を行った。呼吸苦により低活動を呈しやすい患者に対して、筋持久力トレーニングと並行して呼吸方法と動作の指導を行うことで、呼吸困難感が軽減し、ADLの改善につなげることができたと考えた。 |
茨城県理学療法士会 新人症例検討会
演者 |
小島悠太 |
テーマ |
自覚的呼吸苦が強く臥床時間が延長している症例~呼吸効率に注目して~ |
概要 |
特発性肺線維症の患者に、呼吸効率や身体機能に注目したアプローチを行い、自覚的呼吸苦の改善を認めた症例の報告を行った。元々の胸郭の硬さや日中臥床による廃用的な要素、さらに日常的な呼吸促拍に伴う努力的呼吸により、二次的な胸郭の硬さに対して、ストレッチポール、口すぼめ呼吸、自転車エルゴメーターは呼吸効率を改善させ、自発的呼吸苦の軽減に有用であったと考えた。 |
つくば地域リハ・セミナー −第31回症例検討会−
演者 |
綿引悠太 |
テーマ |
「低酸素血症を防ぎながら買い物ができること」を目指した症例−セルフモニタリングに着目して− |
概要 |
重度の慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)を伴う肺結核患者に対し、呼吸様式の改善とセルフモニタリング下での酸素化を維持した歩行が獲得できた症例の報告を行った。自覚症状がない患者に対して、呼吸状態、パルスオキシメーター等を用いて患者自身で観察し、早期に体調変化を捉えることができるよう指導したことで、酸素化を維持した歩行獲得に繋げることができた。セルフモニタリングの教育が非常に有効であったと考えた。 |
つくば地域リハ・セミナー −第31回症例検討会−
演者 |
松本一香 |
テーマ |
動作分析により病棟トイレでの排泄を獲得できた症例 |
概要 |
入院をきっかけにトイレ動作困難となった患者に対し、動作分析による問題点の抽出を行い、トイレ動作の獲得に繋がった症例の報告を行った。動作分析を通して問題点を明確化したことで、起立動作と立位姿勢保持の2点に絞ったアプローチを行うことができた。動作分析による原因の明確化により、効率の良い介入が行えたと考える。 |
つくば地域リハ・セミナー −第31回症例検討会−
演者 |
杉山絢菜 |
テーマ |
トイレ動作獲得に向けてのアプローチ ~リハビリテーションの環境に着目して~ |
概要 |
リハの環境を変えることによってトイレ動作が見守りで行えるようになった症例の報告をした。リハ室で行ったトイレの模擬動作練習では本人の混乱が見られ思うように介入が進まなかったが、実際の環境で行うことで練習に積極的になった。生活場面でのリハを取り入れ、本人のイメージをわかせることが重要であると考えた。 |
つくば地域リハ・セミナー −第31回症例検討会−
演者 |
平井翔一朗 |
テーマ |
具体的数値を用いたADL指導によって行動変容に繋げた症例 |
概要 |
70歳代の慢性閉塞性肺疾患の増悪患者。ネーザルカニューレで安静時1.5L/min、労作時5L/minで使用しており、着座時の息こらえや性急的な動作で動作でSpO2低下してしまっていた。そのため、全ての動作にSpO2のモニタリング、休憩の一貫した指導を行った。本症例に携わりADL場面で具体的数値を示すことで休憩の重要性を理解し、行動変容に繋げられたことを学べた。 |
つくば地域リハ・セミナー −第31回症例検討会−
演者 |
國森遥 |
テーマ |
安定した歩行を目指して~バランス能力に合わせた段階的なアプローチと歩行獲得を通して~ |
概要 |
足底感覚鈍麻・下肢協調性低下により立位バランスが低下した患者に対し、症例のバランス能力に応じた段階的なアプローチ・歩行指導を行ったことで安定した歩行獲得に至った症例の報告を行った。症例のバランス能力に応じて訓練の難易度を調整したこと、適切な歩行形態を選択したことが安定した歩行の獲得に有効であったと考える。 |
つくば地域リハ・セミナー −第31回症例検討会−
演者 |
倉田大輔 |
テーマ |
THA術後患者の股関節伸展制限に対するアプローチ~股関節伸展可動域改善による姿勢・保養の変化~ |
概要 |
THA術後に股関節伸展制限が出現し、デュシャンヌ歩行を呈していた患者に対し、腸腰筋、大腿直筋のストレッチ、マッサージ、殿筋群の筋力訓練を実施した。その結果、股関節伸展可動域が改善し、歩容の改善が見られた。股関節伸展可動域の改善により、殿筋の筋出力が向上したため歩容の改善に繋がったと考える。 |
つくば地域リハ・セミナー −第31回症例検討会−
演者 |
藤本悠人 |
テーマ |
適切な運動負荷で運動療法を実施できたことで心不全再発を防止し、ADLが向上した症例 |
概要 |
心不全急性増悪の患者に対して、運動負荷量の設定を行いアプローチしたことでADL向上に繋げられた症例を報告した。バイタルサイン、自覚症状に注意しながら有酸素運動、レジスタンストレーニング実施し持久力、筋力向上に繋げた。患者に合わせた負荷量を設定できたことでADL向上に繋がったと考える。 |
つくば地域リハ・セミナー −第31回症例検討会−
演者 |
小峰紋美 |
テーマ |
仕事環境の調整によりデスクワーク時間が延長した症例 |
概要 |
今回、頸部痛により座位での作業が連続して行えないことに悩む症例を担当した。作業中の不良姿勢が疼痛に繋がっていると考えた。自宅での作業場の環境調整による姿勢アプローチにより疼痛軽減し作業時間が拡大した。椅子の選定やパソコン画面の位置の変更により頚部への負担を軽減できたと考えた。 |
つくば地域リハ・セミナー −第31回症例検討会−
演者 |
佐藤大樹 |
テーマ |
高齢者の立位アライメントと立位バランスの関係性 |
概要 |
腰椎圧迫骨折・左大腿骨転子部骨折によりアライメント不良が生じた患者に対し、アライメントを修正することで立位バランスの改善へとつながった症例について報告した。体幹屈曲筋の賦活・足底筋群の筋力強化を実施。その結果立位アライメントが改善し、立位バランスの改善につながったと考えた。 |