男性のご相談のプロはやはり泌尿器科です!
男性不妊症の原因とその割合は造精機能障害が83.0%と最も多く、その中の56.1%は原因不明、5.9%が精索静脈瘤です。他に精路通過障害13.7%、性機能障害が3.3%といわれています。
不妊の基本検査の中に「精液検査」があります。産婦人科でも「精液検査」のみ行うことができます。事前に容器をお渡ししますので直接採っていただき、精液の量や様子、精子の濃度、運動性、高速や前進に動く良好な精子などを確認していきます。しかしその状態はストレスや寝不足、疲れなどでも変化をします。
以前は2~3回検査を行い、結果が好ましくない場合に泌尿器科で診察を受けていただいていました。しかし今は早目に受診し、精液検査だけでなく詳しい問診、血液検査や診察(精巣の大きさや固さ、精索静脈瘤の有無)、超音波検査など、精液検査だけではわからない隠れた原因がみつかることが多々あります。
実は男性の場合、検査前に大変緊張されていたり、ずっと前から「実は聞きたいけど聞けない事」を沢山かかえていることがあります。何が原因だかわからないままサプリや漢方薬を使っているかたも沢山います。泌尿器科の受診は勇気がいるかもしれませんが、きっと心に絡んでいる心配をほぐしてくれると思います。
いままでかかったことのある病気、喫煙歴や飲酒、仕事の内容、持病やお薬の服用状況、サプリなども服用しているものがあればわかるようにしておいてください。
男性不妊の治療は乏精子症や精子無力症など、精液所見の改善に向けて行う薬物療法、精索静脈瘤や閉塞性無精子症などに対する外科的療法、生殖補助医療(ART)があります。一般的には薬物療法を行うものの、必ずしも効果が明らかとなる決定的な治療法とはいえないのが現状です。ARTの進歩によって精子が極端に少なくても、精巣の中にでも精子を認めることができればお子さんを授かる可能性があります。ただ漫然と治療を行うのではなくご夫婦の年齢や状況に応じて治療を行うことが必要です。
泌尿器科医師から奥様の状況を確認されることがあります。日頃からご夫婦でそれぞれの検査、治療について情報交換をなさってくださいね。
当院は女性側、男性側と両方からの治療が可能な国内でも少ない施設のひとつです。
泌尿器科医師からの解説です。クリックしてください。
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