teracce 女性の生殖年齢

医療コラム

女性の生殖年齢が話題になるようになりました。
日本は昔、女性は子どもを生む性である、と考えられそのために多くの偏見がありました。いつのまにか女性の自由な権利や女性の体を大切に思うために、性教育でも妊娠について授業がもたれるようになりましたが、女性の年齢と妊娠の関係、不妊のことはタブー視されました。結婚すること、子どもを生むことを強要してはいけない、選択する自由があることが強調されたのです。年齢を重ねると妊娠しづらくなる、という教育はごくごく少数にしかされませんでした。

性差や年齢に関係なく、すべての人が健やかに、幸せに、そして自由に生きる権利があります。しかし、それらを選択する権利はいろいろなことを理解して成り立つのだと思います。また女性が男性と同じように働き、力を発揮できることが可能になった…、子どもを生み育てながら社会進出することになった…それらは社会的な仕組みの問題で、性差ある現実(生殖能力の限界)を触れないことで解決することではありません。

ここで、原点を考えて見ましょう。動物学的に考えれば人間もまた動物の中の1種であり、その根本は動物学的な生殖と種の保存という、原始的な本能的なものなのです。哺乳動物には生殖能力の適時があります。人間もまた同じです。その原則を覆すことはできません。人間の昔からの夢である不老不死や若返りは、現在の医学ではどうしようもないことで、それは生殖年齢においても同様のことが言えるのです。

20代の方でも、お子さんを授かりたいと願ってから1年以上経過していること、35歳をこえていらっしゃる方は半年程度で、一度相談にきていただければいいと思いますし、結婚してすぐに病院を!ということであってもかまわないと思います。早めに相談にいらしてください。

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