teracce 【いっぽ~不妊カウンセラーの独り言】ココロと向き合う②

医療コラム

「公園を歩いていると、子ども連れの人に会います…」「おなかの大きい人を見るとつらくなります…」「年賀状の『赤ちゃん、生まれました』はつらくなります…」「産科と一緒の病院(一緒の曜日)の受診は嫌です…」「…そんな風に思ってしまう自分が、人間として小さくなったようで嫌になります」 

よく皆さんから聞かせていただく言葉です。一方、不妊治療後に妊娠した方からも、「自分が妊婦さんを見るのがつらかったので、昼間あまり外出しないようにしています」「友人に妊娠したことを言えません」「誰も、私の妊娠を喜んでくれていない気持ちに襲われます」

また、第2子希望で不妊治療を再開した方から、「核家族なので子どもを見ていてもらえず、通院ができません」「子連れはご迷惑ですよね…」というお話も伺うことがあります。

 話の軸がずれるかもしれませんが、泌尿器科、不妊外来や生殖医療、遺伝…それらの名前を含む表現に対し「偏見があるからやめてほしい…」というご要望が寄せられることもあります。すべて納得いくことは本当に難しいのだと思います。それぞれの立場の方たちが皆、苦しい気持ちを抱えているのだと思います。

でも、世間からそれらのすべてを消し去ることは不可能です。どうしてもこればかりは自分と世間との間に「折り合い」をつけていくしかないように思います。それは「ただ黙って我慢して…」ということではなく、どこかで吐きだしながら心のバランスを取っていくのだと思うのです。自分の気持ちを伝えることは、心に少しの隙間をつくることです。その隙間が、皆さんの人生の余裕となっていくのだと思います。

抱えすぎずに、ちょっと話に来ていただけるといいと思います。