teracce 【いっぽ~不妊カウンセラーの独り言】ちょっとやってみよう!心構え5カ条

医療コラム

①正直にお話しましょう

今までかかったことのある病気や、他の病院での検査、治療のこと、また飲んでいるお薬のことなど、医師にお話しましょう。お薬手帳をお持ちの方は持参してください。

 ②治療はご夫婦で

私がコメントを求められたときに、コメントできないことの一つに「夫婦のどちらに原因があるのか」というご質問があります。検査の結果などは医師から直接聞いていただきますが、不妊治療はお互いの責任を問うことではなく、二人で行う治療です。「ご夫婦で一度カウンセリング外来にいらしていただけますか?」と私がお話しするのは、ご夫婦で同じ情報を共有して十分話し合うための材料を提供するためです。

 ③焦らないで

これは、簡単なようでとても難しい・・・。検査で大きな問題が見つからないのになかなか妊娠しなかったり、治療が確実にステップアップしているのに妊娠にいたらなかったり・・・。今はインターネットの普及や、テレビ番組でも不妊治療の放映がこのところ多く、過剰な情報の氾濫があります。それを自分にあてはめたりすると、なんで?という気持ちだけが先走ってくる。そんなときに「焦らないで!」といわれても「そんなの無理・・・。」と思われますよね。わかります! わかりますが、でもやっぱり焦らないでください。気持ちが焦ってくると、医師の話が正確に伝わらなかったり自分で判断できずに情報に振り回されたりしてしまいます。そうなると、解決よりストレスが増強します。

人間は山頂を見上げると少し憂鬱になってしまい、できるかなぁ?という焦りがあります。でも足元の一歩は必ず踏み出せるし、きっと一段の階段は登れます。焦ってしまう気落ちをそのまま、カウンセリングでお話ください。そして一緒に情報の整理をし、まずは一歩進めましょう。

 ④患者さん自身の、そしてご夫婦の人生観を大切に

医師は今までの検査結果や治療経過などを見て、お薬の変更やステップアップの提案をします。それはひとりひとり皆、違います。ご自分の現段階の状況をしっかりと把握しその提案の意味を理解して、検査・治療の内容はもちろんのこと、それがご夫婦にとってどのような意味があるかも十分お話になってください。不妊治療は妊娠ゴールではありません。そこから命を育むことがスタートします。私たちはその育むすべてに関わることができません。ご夫婦の人生観を持ち、少し長い視野で人生を考えてください。

 ⑤自信を持って!

子供をほしいと思う気持ち、治療をしようと思う気持ちは正当なものです。「不妊治療」という言葉、婦人科の診察室の雰囲気など、やはり勇気がいるでしょう。それでも病院にきた自分を、大きな一歩を踏み出した自分を心から褒めてあげてください。また、カウンセリングで拝見しているとご主人様が奥様を・・・奥様もご主人様をとても心配し、大切にしていることが伝わってきます。ご夫婦の希望の元に、ご自分たちの意思で治療されているということを心から誇りに思ってください。いつも思うのですが、ステップアップや治療の選択をするとき、その決断をするのに、気持ちは揺れ動いて自分を守ると言われています。揺れ動くことは弱いのではなく、強さです。その強さを誇りに思ってください。私たちスタッフも「今のベスト」を考え、皆さんの希望が叶えられるよう努力します。決して独りではない!ということを覚えておいてください。