teracce 【いっぽ~不妊カウンセラーの独り言】葉酸について

医療コラム

葉酸は最初にほうれん草から見つかったことから、その名がつけられました。ビタミンBの一種である葉酸は、多くの食品、特に緑黄色野菜に多く含まれています。もともと貧血の治療に用いられ、細胞の発育に大切な働きをするビタミンです。食品からの摂取の他にサプリメントから1日0.4mgを摂取すれば、神経管閉鎖障害の発症リスクを低減することが期待できるとして、妊娠前から妊娠中の摂取が推奨されています。つまり不妊治療を行っている方はすぐにでも始めていいサプリメントです。それ以外のサプリメントについては欠乏症でない限り、特に使用を推奨するものはありません。 葉酸が不足する原因のひとつとして偏った食生活、喫煙、アルコール類の多量摂取も挙げられます。

では、なぜ葉酸が必要なのでしょうか?

妊娠するとほとんどのビタミンの必要量が増えますが、特にビタミンB群のひとつである葉酸は重要です。その理由は、葉酸サプリメントを妊娠前から妊娠初期の間に摂取することによって、二分脊椎症などの神経管閉鎖障害の発症リスクを減らすことができると報告されているからです。厚生労働省では、妊娠の1か月以上前から妊娠3か月までの間、食品からの摂取に加えていわゆる栄養補助食品から10.4mg400μg)の葉酸を摂取することを勧めています。葉酸は、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜にも多く含まれていますが、水溶性で熱に弱く、調理によって多くが失われてしまうので、サプリメントの使用が勧められます。

(すべての神経管閉鎖障害が葉酸の摂取不足が原因でおこるわけではありません)