teracce 【いっぽ~不妊カウンセラーの独り言】プレコンセプションケアを少し詳しく・・・

医療コラム

前回のコラムにも書きましたが、プレコンセプションケアは妊娠だけに関わる話ではありません。若い世代の皆さんが自ら健康管理できるようになることは、生涯にわたって「質の高い生活」を送ることにもつながります。「若いから無理をしても大丈夫」ではなく、「若いからと油断せず、健康を大事にする」と考えることが大切です。

「若いみなさんが健康でいるための生活習慣」は、本人が行動するだけでなく家族や職場の方等、周囲の皆さんも理解を深め、みんなで「自分だけでない、周囲の誰か」の健康を支援してほしいと思います。

 ①適正体重を守る

18〜49歳の女性の適正体重の範囲は、BMI値で18.524.9。やせ(18.5未満)は低出生体重児等の要因になり、肥満は妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群等につながります。適正範囲に収まるように妊娠の前に体重をコントロールすることが大切です。

 ②栄養バランスを整える

若い女性は、たんぱく質、カルシウム、食物繊維等が不足して、「低栄養」の傾向があります。1日3食きちんと摂り、できるだけ栄養バランスが整うように心がけましょう。また、葉酸(ようさん)も積極的に摂取してください。葉酸は胎児の細胞分化に不可欠なビタミンで、ブロッコリー、ほうれん草、納豆などに多く含まれています。日本産科婦人科学会では妊娠前からの葉酸サプリメントの服用も有効としています。

 ③適度に運動する

若い女性は運動から遠ざかってしまい、体力が低下しがちです。1週間あたりの運動量は150分ほどが目安。運動不足の人は今よりも毎日10分長く歩くなど、身体活動量を少しでも増やしてみましょう。ラジオ体操を真剣にやる!こともかなり効果があります。

④禁煙する・受動喫煙を避ける

喫煙は流産や早産、低出生体重児などのリスクを高めます。今、喫煙している女性は妊娠する前に完全に禁煙しましょう。自分の意思で禁煙が難しければ禁煙外来の利用をおすすめします。今は喫煙スペースが設けられて、職場や公共の場でもかなり受動喫煙の機会は減りましたが、受動喫煙も健康に影響を及ぼすことは知られています。パートナーはもちろんのこと、同居するご家族の方も禁煙することがベストです。

⑤アルコールは控えめに

厚生労働省「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒量」は、1日平均の純アルコールで20g程度です。しかし、女性は男性に比べてアルコールのダメージを受けやすい傾向があるので、妊娠前から純アルコール10g/日以下に控えましょう。純アルコール10g分とは、アルコール度数5%のビールなら250ml、ワインなら100ml程度です。

 ⑥ストレスを溜め込まない

過度なストレスは不安や抑うつの原因になります。ストレスを溜め込まないように、自分なりの健康的な発散方法を見つけましょう。