医療コラム
「じゅせい」という言葉には「受精」と「授精」があります。体外受精、人工授精、顕微授精と、違うことにお気づきだったでしょうか?
簡単に解説します。これらの技術の語源は英語です。その言葉の意味によって使い方がかわります。受精(fertilization)は卵と精子が融合しひとつの細胞になることをいいます。つまり精子と卵子が出合い結合することです。授精(insemination)は精子を子宮に注入したり、卵の側に置くことをいいます。人工的に注入することを指します。
ひとつの小さな容器に卵子と精子をいれる(媒精)体外受精(in vitro fertilization)、卵の中に直接精子を入れる顕微授精(intracytoplasmic sperm injection)の違いはイメージできると思います。顕微授精が始まった時は「micro-insemination」という言い方をしていました。
そこで何とも分かりづらいのは人工授精(AIH)ですね。子宮の中に人工的に注入はするものの、卵管膨大部での出合いは自然の受精と同じ…??? という感じですよね。人工授精を英語で言うと「artificial insemination with husband’s semen」です。「artificial」は人工という意味で、「insemination」には種子を植え付けるという意味があります。つまり人工的に精子を子宮内に授ける(授けることによって受精することが考えられる)という医療行為の意味で、授精という文字が使われています。
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