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前立腺がんのフォーカルセラピーを紹介します
フォーカルセラピーとは、前立腺を摘除したり全体に放射線を当てたりするのではなく、MRI画像などでがんを正確に特定した上で、治療が必要な部分だけを局所的に治療する方法です。がんをコントロールしながら、尿漏れ・性機能などの「生活の質」をできるかぎり守る新しい前立腺がん治療です。
フォーカルセラピーにはいくつかの治療法がありますが、当院では「マイクロ波凝固法」を用いた治療を行います。電子レンジと同じ原理のマイクロ波を針から照射し、がん組織を高温で焼灼。正確な位置に細い針を刺すだけで治療でき、身体への負担が小さい方法となります。
治療時間は約1時間、通常2〜3泊の入院で完結し、勃起に関わる神経や括約筋を傷つけにくく、術後の生活の質が保たれやすい治療です。万一再発した場合でも再治療や根治手術・放射線治療への移行が可能です。

使用機器

Trinity システム(Koelis社)
MRIと超音波を融合(フュージョン)し、前立腺内のがん病変を3Dでリアルタイムに把握する最先端のナビゲーションシステムです。がんの部位を正確に同定し、マイクロ波凝固針を的確に誘導します。

KOELIS 超音波・MRI融合画像システム
MRI・超音波融合画像により前立腺の3D構造をリアルタイムで描出。がん病変の位置と針の到達点を同時に確認しながら治療を行います

マイクロターゼ AFM-712(アルフレッサファーマ社)
肝臓がん・子宮内膜症の治療で使用実績をもつ薬事承認済みのマイクロ波凝固装置。前立腺に特化した細い針でがん組織を焼灼します。
Koelisによる実際の画像例

超音波断面像 + がん病変マッピング
前立腺の超音波断面画像に、MRIで同定したがん病変(金色の楕円)と生検針の軌跡(緑の線・点)をリアルタイムで重ね合わせて表示。がんの位置を正確に把握しながら治療を行います。

前立腺3Dモデル + 病変の立体表示
前立腺全体を3次元メッシュモデルで再構成し、がん病変(黄色の楕円)と生検コア(緑のシリンダー)の位置を立体的に可視化。治療針を挿入すべき座標を精密に計算します。
患者さん満足度と機能温存に関するデータ

参考:フォーカルセラピーと根治的全摘術の比較(HIFI試験)
フランス全土46施設・3,328名の大規模前向き試験では、フォーカルセラピー系治療(HIFU)は根治的前立腺全摘術と比べて、尿漏れの悪化(29% vs 44%)・勃起機能の低下(−7 vs −13点)がいずれも有意に少ないことが示されています。
PloussardG,etal.EurUrol.2024.DOI:10.1016/j.eururo.2024.11.006
各治療の概要

治療適応となりやすい方
- MRI上で単一の病変が確認されている
- 血液検査(PSA)が20 ng/mL未満
- 生検の悪性度が中間グレード以下(ISUP GG2)
- がんが前立腺内にとどまっている
- 病変が直腸・括約筋から十分離れた位置にある
- 尿漏れや性機能などQOLの維持を重視される方
適応外となりやすい方
- 両側や広い範囲に複数のがん病変がある
- 悪性度が高いがん(ISUP GG3以上)
- 前立腺の外への広がりが疑われる
- 勃起に関わる神経と隣接した位置の病変
- リンパ節や骨などへの転移がある
※適応可否は、MRI・生検の結果を基に担当医が個別に判断します。治療の内容・リスク・費用について十分な説明を行い、患者さんのご同意を確認した上で実施します。
受診の流れ
- 初診・紹介受診
泌尿器科外来または紹介状にてご受診ください - 精密検査
MRI・PSA、前立腺生検 -
適応判定・説明
結果を基に担当医が説明します - 治療(入院)
2〜3泊、約1時間 -
経過観察PSA・MRI、必要時再生検を行います
治療担当医
山﨑 一恭
筑波学園病院泌尿器科部長/検査部部長
専門医等:日本泌尿器科学会専門医・指導医
所属学会:日本泌尿器科学会/日本泌尿器腫瘍学会/米国泌尿器科学会(AUA)
所属学会:日本泌尿器科学会/日本泌尿器腫瘍学会/米国泌尿器科学会(AUA)
お問い合わせ
ご相談の際は直接当院泌尿器科外来にお問い合わせください。他院からのご紹介は患者サポートセンターにて承ります。
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