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当院泌尿器科の研究が国際医学雑誌『Asian Journal of Andrology』に掲載されました

筑波学園病院 泌尿器科部長の山﨑一恭医師が共同著者として参加した研究論文が、男性医学分野における国際的な学術誌『Asian Journal of Andrology』に掲載されました。

掲載論文はこちら:🔗 https://journals.lww.com/ajandrology (DOI: 10.4103/aja202566)

論文タイトル
Urinary isoflavone concentrations and semen parameters of Japanese men seeking fertility treatment
(
不妊治療を受ける日本人男性における尿中イソフラボン濃度と精液所見との関連)

研究の概要
本研究は、東京大学大学院医学系研究科の小西祥子准教授を中心とした研究チームが実施した学際的プロジェクト「IITEF(Interdisciplinary Investigation of Technology, Environment, and Fertility)」の一環として行われました。当院を含む2施設(筑波学園病院と山王病院)20209月から20213月にかけて、不妊治療を受ける日本人男性157名を対象に調査が実施されました。

■研究の目的
日本人の食生活に多く含まれる大豆イソフラボン(豆腐、味噌、納豆などに含まれる植物性の成分)が、男性の生殖機能にどのような影響を与えるかを明らかにすることを目的としました。

■研究の方法
参加者の尿中に含まれる3種類のイソフラボン(ゲニステイン、ダイゼイン、エクオール)の濃度を測定し、同日に採取した精液検査の結果(精子濃度、総精子数、精子運動率)との関連を解析しました。

■研究の結果
・ダイゼインの尿中濃度が高い男性では、最も濃度が低いグループと比較して、総精子数が32〜40%低いという結果が得られました
・ゲニステインについても同様に、一部のグループで総精子数の低下が認められました
・一方、エクオールの尿中濃度と精液所見との間には明確な関連は認められませんでした
・精子運動率については、いずれのイソフラボンとも明らかな関連は示されませんでした

本研究の意義
これまで欧米では、イソフラボンの摂取が男性の生殖機能に影響を与えないとする研究結果が報告されていましたが、日本人のように日常的に大豆製品を多く摂取する集団では、異なる結果が得られる可能性が本研究により示唆されました。ただし、本研究で観察された精子数の違いが、実際にカップルの妊娠しやすさ(妊孕性)にどの程度影響するかについては、今後さらなる研究が必要です。不妊の原因は多岐にわたるため、食事をはじめとする生活習慣と生殖機能との関係について、より包括的な理解を深めることが重要です。

筑波学園病院泌尿器科からのメッセージ
当科では、男性不妊症の診療において、最新の医学的知見に基づいた質の高い医療を提供しております。今回の研究成果も、患者様一人ひとりに最適な治療とアドバイスを提供するための基盤となります。男性不妊や生殖機能に関するご相談がございましたら、どうぞお気軽に筑波学園病院 泌尿器科までお問い合わせください。

参考資料:

筑波学園病院 泌尿器科・男性不妊科
305-0854 茨城県つくば市上横場2573-1
TEL: 0570(03
)1355