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前立腺生検システムを導入しました

この度当院泌尿器科では、より正確かつ体への負担が少ない「前立腺生検システム」を導入しました。同システムを使用した前立腺生検は2016年より先進医療として認可されていましたが、その有効性の高さが認められて2022年3月より保険診療で行うことができるようなっています。

同システムは「前立腺MRIー経直腸超音波融合画像ガイド下生検」という方法で、前立腺がんを狙い撃ちする「標的生検」を行うためのものです。

従来の「超音波ガイド下生検」では肛門から超音波を出す機械を挿入し、前立腺を観察しながら生検針を刺して前立腺組織を採取し、採取した細胞を顕微鏡で観察し、がん細胞の有無を調査します。しかし超音波診断機だけではよほど大きくはっきりとしたがんでなければ見えないので、多くの場合、前立腺の位置と生検針しか確認することができません。そのため、前立腺の中でがんがある部位はわからないまま、前立腺全体にまんべんなく複数個所生検針を刺し組織を採取して診断するのが従来型の「系統的生検」というやり方でした。

これに対して、今回導入したシステムによる「標的生検」という手法では、事前にMRI画像を撮影することで、がんができている部位をあらかじめ確認しておきます(臨床的に意味のある≒治療が必要な前立腺がんをMRIで検出できる割合は6396%とされています)。そして前立腺に生検針を刺す際の超音波画像にソフトウェア上で事前のMRI画像(がんの疑いのある部位が特定できた画像)を重ね合わせた画像イメージを合成し、針を刺すべき場所を教えてくれます。これにより、効率よく正確に疑わしい部位から組織を採取することができます。

今後も患者さんの負担を軽減し、医療の質向上を目指しながら機器の導入を進めてまいります。