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内田将央医師が筆頭著者の論文が『Reproductive Medicine and Biology』誌上で発表されました

当院泌尿器科の内田将央医師が筆頭著者、山﨑一恭医師が共同著者である論文「男性不妊患者の人差し指と薬指の長さの比と生殖機能との関係(The ratio of 2nd to 4th digit length and reproductive function of infertile male patients)」が、生殖医療分野において上位(11位/31誌中)にランクされる英文誌『Reproductive Medicine and Biology(RMB)』誌に2月8日付けで掲載されました。

この研究は東京大学大学院医学系研究科 国際保健学専攻 人類生態学分野の小西祥子准教授や聖マリアンナ医科大学の岩本晃明客員教授らと共同で行われました。この研究は、工業化技術と環境が人間の生殖能力に与える影響を検討する学際的なプロジェクト「IITEF(The Interdisciplinary Investigation of Technology, the Environment, and Fertility )」の一環として行われました。

研究の目的は、成人男性の精液検査結果(精液量、精子濃度、総精子数、総精子運動率)に、胎児の頃に子宮内で浴びた男性ホルモン量がどれくらい影響しているのかを調べることです。先行研究から、胎児の頃に暴露された男性ホルモン(テストステロン)の量が、出生後の人差し指と薬指の長さの比(2D:4D)に関係することがわかっています。

そこでこの研究では、筑波学園病院泌尿器科と山王病院リプロダクションセンター(東京都港区)に通院する合計180名の男性患者さんにご協力頂き、2D:4Dと精液検査結果、ホルモン検査結果との関係性を調べました。その結果、左手の2D:4Dが総精子数と負の相関を持つこと、左右の2D:4Dがテストステロン濃度と負の相関を持つことが示されました。総精子数以外の精液検査結果と2D:4Dの間には明らかな関係はありませんでした。

今回の研究は、日本の成人男性の2D:4Dと精液検査との関係性を調べた初めての報告ですが、明確な結論に至りませんでした。今後は他国での研究結果と一致する点・しない点を含めて、さらなる検討が望まれています。

https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/rmb2.12500