この頃、ニュースやSNSなどで「プレコンセプションケア」という言葉を耳にすることがあると思います。
コンセプション(Conception)は受胎、つまりおなかの中に新しい命をさずかることをいいます。また、プレコンセプションケア(Preconception care)とは、将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うということをいいます。
もともとプレコンセプションケアは、2006年に米国疾病管理予防センター(CDC)の政策として誕生しました。その後、世界保健機関(WHO)が2012年に「妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと」と定義しました。
日本では2015年、国立成育医療研究センター内に「プレコンセプションケアセンター」が開設され、情報発信や健康支援の取り組みがスタートしました。妊娠・出産をめぐる状況や課題はそれぞれの国によって異なるため、日本国内の状況に合わせたプレコンセプションケアの目的が定められ、最近では各地の自治体なども啓発活動を行っています。
WHOレポート、国立成育医療研究センターHPから引用
プレコンセプションケアの目的は大きく3つあります。①若い世代の健康を増進し、 より質の高い生活を実現してもらうこと②若い世代の男女が将来、より健康になること③より健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代の子どもたちをより健康にすること
このプレコンセプションケアによって、女性だけでなく男性、カップルがより健康になること、また妊娠を計画している方だけではなく、すべての妊娠可能年齢の方々にとって大切なケアと認識しています。自分を管理して健康な生活習慣を身につけること、それは単に健康を維持するだけではなく、よりすてきな人生をおくることにつながると考えています。「プレコンセプションケア」の視点から生活習慣など意識できるとよいと思います。次回からプレコンセプションケアを少し詳しくご説明していきます。
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